シャンプーのよくある誤解

愛犬をケアするのに欠かせないシャンプー。
清潔に保つために重要な作業ですが、実は誤解されやすい点が数多くあります。

今回は、犬のシャンプーに関するよくある誤解について特集します。

 

〇シャンプーすればするほどきれいになる

シャンプーはすればするほど、わんちゃんをよりきれいな状態に保てそうな気がします。
しかし、シャンプーをしすぎないことは定期的にシャンプーをすることと同じくらい大切です。

シャンプーの主な目的は、犬の汚れや臭い、病原菌の増殖の原因となる皮脂を除去し、清潔な状態を保つことです。
頻繁にシャンプーをすることは皮脂を過度に取り除いてしまい、かえって皮膚トラブルを引き起こす可能性があるのです。

泥遊びをしたり、強い汚れが付いた場合はその都度部分洗いを行うことを推奨しますが、一般的には適切なシャンプーの頻度は1カ月に1~2回とされています。

 

〇人間用のシャンプーを使っても良い

わんちゃんには人間用ではなく、犬用シャンプーを使うことがとても重要です。
人間と犬では皮膚が大きく異なるため、わんちゃんには犬用シャンプーを使用することが理想的です。
犬の皮膚は人間よりも薄いとされています。
皮膚が薄いと外部からの刺激を受けやすくなるため、人間に作られたシャンプーは犬にとって刺激が強かったり、過度に皮脂を取り除いてしまうことがあります。

さらに、わんちゃんは人間よりも嗅覚が鋭いため、人間用シャンプーの香料に不快感を覚えることがあります。

愛犬の健康を守るためにも、必ず犬用に開発されたシャンプーを使用しましょう。

 

〇薬用シャンプーはどんなワンちゃんにも使える

「薬用シャンプーは万能で、どんな皮膚状態でも使える」と考える飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、実際は薬用シャンプーは使用に注意が必要です。

薬用シャンプーは細菌やカビ、アレルギーによって引き起こされる皮膚トラブルに対し、有効成分が働くことによって治療効果があるとされています。
しかし、脂汚れを落とすことよりも殺菌・抗菌を主な目的としているため、通常のシャンプーよりも強い洗浄作用があります。
そのため、皮膚状態が健康な場合は原則使用する必要はありません。

間違って使用してしまうと乾燥肌や皮膚炎などのトラブルを引き起こしてしまうリスクがあるため、獣医師が必要と判断された場合に限って使用するようにし、必ず指定の期間と使用方法を守ることが重要です。

薬用シャンプーは効果的かもしれませんが、前提として皮膚トラブルがあること、そして獣医師と相談を重ねることが重要です。

 

〇皮膚疾患のあるワンちゃんはシャンプーしてはいけない

皮膚疾患のあるわんちゃんの適切なシャンプーは多くの皮膚疾患の治療に重要な役割を果たします。

皮膚疾患には、皮脂が過剰に分泌され、それをエサとする病原菌が増殖してしまったり、アレルゲンが付着してしまうことで引き起こされるものが多くあります。
そのため、皮脂や皮膚上の細菌の量を調整したり、アレルゲンを洗い落とすことのできるシャンプーは皮膚疾患の治療の一環となる可能性があります。

ただし、皮膚疾患のあるわんちゃんのシャンプーをする際は獣医師に相談することが大切です。
効果的な治療となりうるシャンプーですが、使用するシャンプー、使用方法や使用頻度よってはさらなる皮膚トラブルを引き起こしてしまうこともあるため、必ず獣医師の判断に準拠するようにしましょう。

内用薬や外用薬などのほかの治療と並行して適切なシャンプーを実践することで、わんちゃんの健康を守りましょう。

 

愛犬のシャンプーについて不安や疑問がある場合は、遠慮なく獣医師に相談しましょう。
正しい知識をもって日々のシャンプーケアをし、愛犬と健康な生活を送ってくださいね!

 

みなさんの愛犬の健康を心から応援しています!

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